となりのおじさん


    職場の隣の席には、おじさんが座っている。
    わたしが思っていることを正直に書くと、おじさんは、不細工で、不潔で、口が臭くて、体臭もあって、デリカシーがなくて、ごはんの食べ方も汚くて、声が高くて、無駄に大きくて、呼んでもないのに、話に入ってきて、つまんないこと言って、要するに、不愉快で大嫌いだ。
言っちゃった。。
でも、大っ嫌いなんだ。

    今日の朝、ハッとした。わたしの思い込みかもしれないけど、わたし、自分でおじさんの隣の席を選んだんだ。席は最初から決められていたので、わたしがここがいい!と選んだのではないけれど。
突拍子もないことを言うけれど、わたしは、恋愛で甘い思いをしたことがない。大体、自滅して、ものすごく傷付く。みじめな思いをする。いつも痛い思いをする。だから、憧れよりも、痛い思いをしたくない気持ちの方が強い。嫌なんだ。どうして、そういうパターンを選んでいるのかはここではおいといて。。だから、自分が絶対好きにならない、大嫌いなこのおじさんの隣の席を選んだんだって思った。しかも今の部署は女性しかいない。他の部署には、いろんなタイプの男性がたくさんいる。だけど、たぶん、わたしは自分が傷つかないために、このおじさんの隣を選んだんだなと妙に納得してしまった。おじさんにイライラしても、うんざりしても、わたしが絶対に避けたい、好きになって傷つくことはないもんね。

はー。(溜め息)